石上3年日記
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私の好きな小説-2 『西鶴置土産』 井原西鶴
 井原西鶴は江戸時代の俳人、小説家です。今から約300年前の人です。

 西鶴の作品は『好色一代男』『好色一代女』『好色5人女』等が有名ですが、『西鶴置土産』は『一代男』等で示した江戸時代の豪商の桁違いな遊びの後の、身上を潰した人々の有様を描いています。遺作です。

 「好色」というと現代ではエッチな感じですが、『好色5人女』では、息苦しいまでに一途な女の恋を描いています。好色=恋愛に置き換えることができます。
 
 武家の場合、妻の浮気を見つけたら、相手を含めてその場で一刀両断にしてもよい、という時代の恋愛ですので、おのずから命がけです。

 夫婦が離婚するときも、文字が書けないもののために、棒を3本半紙に書いて渡せば良いと言う時代でした。江戸時代は大まかには4人に1人が文字の読み書きができなかったようです。

 『好色一代男』は 主人公 世之介が親の莫大な遺産を相続し、それを日本全国の色里で豪快に使う話です。まだ、アメリカ由来の強力な性病も伝来しておらず、この世の春を謳歌します。各地の色里の習慣の違い等、旅行記的な味わいもあり、読んでいて面白い。

 西鶴は小説家ですから、創作もずいぶんあるでしょうが、実際の話も結構含まれているようです。現代で言う、ルポライター的な要素もあるようです。

 『置土産』では、大変なお金持ちが、色の道に迷い込み、有り金を使い果たし、最後はぼうふら※1を売って一日の食費を稼ぐ話などが出てきます。以前は豪勢や高貴だったものの落ちぶれた姿を描いています。西鶴は「人は貧乏では死ねないもの」と書いています。

 私が愛読しているのは『西鶴名作集』昭和30年発行 日本国民文学全集 訳者代表 丹羽文雄 『西鶴置土産』は尾崎一雄、志賀直哉共著(現代語訳)のものです。古本屋で200円程度だったと記憶しています。

 漫画家の故 杉浦日向子の江戸時代漫画そのものの世界です。彼女の漫画のフアンであれば間違いなく楽しめると思います。

 話は飛びますが、前から思っているのですが、ちょんまげとか、文金高島田とかの髪型って、日本人は時代劇とか子どものころから見ますから違和感ないでしょうが、世界中であんな形の髪型を大真面目で実行している国民って他にいるんでしょうかね?受け狙いでなくて、いわゆる正装ですからね。

 マリーアントワネットが頭に船の模型をくくりつけた髪型をはやらせた、という話は聞きましたが、個人でなくて、それをみんながかっこいいと思ってやってる感覚。

 日本人は個性がないと今でもいいますが、個性ありすぎでは?という気すらします。日本人が普通だと思っていることが面白くて、外国人観光客が秋葉原や原宿に来ているのかも。

 今の日本人は文化的には明治時代の延長線上にありますが、本来は江戸時代までの文化が正統であり、長い日本の歴史から見れば明治から昭和の初期という時代は極めて異端な時代といえるのではないか、と個人的には考えております。

 こうゆう古典を残してくれた先達に感謝、文化として継承してきた国民にも感謝です。

※1 蚊の幼虫。お金持ちのペット、金魚のえさになる。

 


  

 

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